好きな世界を汚さない力

今日も彼氏がつまらなかった。 私立医大の入学金の額を教えたら、想像以上に高かったらしくわたしが嘘を教えたと疑っていた。22卒のわたしが「既に22卒は就職氷河期って言われててウケるね」というと21卒の彼氏はあたかも21卒が最も苦しいかのようなことを言っていた。「開業医の息子と付き合った友達が、彼氏の親に反対されて別れさせられたらしい」という話も嘘だと疑っているみたいだった。本当につまらない。つまらない自分を認めたくなくて、面白い人のことを"頭のおかしいやつ"として括っているみたいだった。

今日見た映画もつまらなかった。森川葵が出ているわかるようなわからないような映画の中で、わかる〜と思えたのは「おんなのこきらい」だけだった。森川葵菅田将暉がラブホに入るところだけは良かった。ラブホは面白いから。ラブホにはあんまりつまらない思い出がないから。元彼がバイクの後ろに私を乗せてラブホに行くことを「拉致」と呼んでいたことを思い出した。

インターン選考のグループディスカッションで同じ班になったやつらもつまらなかった。「軸」とか「ガクチカ」とか「強み」とか就活のときしか使わないつまらん言葉をどや顔で話していた。身内ネタでスベってる運動部みたいだった。誰も自分の言葉で話していなかった。就活サイトを見ずとも「グループディスカッション攻略法!」みたいなページに何が書いてあるか察しがついた。

①定義付けをする。

②途中で意見を要約して確認する。

③あまり話していない人に話を振る。

全員つまんなかった。

 

わたしは絶対面白いと思いながら爪を塗った。白も青も上手く塗れなくて、塗っちゃ落としを3回繰り返して結局いつものグレーにした。わたしもつまらないから。